スタッフが密に話し合える環境で働きたかった。
もともと医療職に興味を持ったのは、小さい頃に祖父が倒れてリハビリをしていたのを見ていたことがきっかけでした。その印象が強かったから、理学療法士を目指したのかもしれません。国家試験を受けるカリキュラムがある大学を選択し、4年生の2月の試験に合格して卒業後に晴れて国立病院へ入職。主に入院患者さんのリハビリに対応する仕事で、4年間勤務しました。規模は当院の倍くらいの病床数を誇る病院で、スタッフも多い。もう少しスタッフ同士が密に話し合える環境で働いてみたい、と感じるようになったのが、転職を意識し始めたきっかけでした。老人保健施設なども視野に入れていましたが、やはり急性期の病院で働き続けたいと思い、登録していた人材バンクから当院を紹介されました。
初体験の外来患者さんへの対応が最初は大変だった。
前職の国立病院と当院とで一番大きく異なるのは、「外来への対応がある」ことです。最初は正直、経験がないことなので不安もありました。でも何ごともやってみないとわからない、と考えて挑戦してみましたが、半年くらいが経過するまではなかなか大変でした。入院患者さんへの対応であれば予定通りのスケジュールが組みやすいですが、外来の患者さんは毎日リハビリに来れるとは限らないし、少ないと2週間に1回くらいのペースになったりもする。それでも少しでも楽になって帰ってもらいたい、と思うので、たとえば日常生活の中でどうやったらリハビリが組み込まれるかを考えたり、できるだけ来院してもらえるようにコミュニケーションを深めたり、といったさまざまな工夫をしてみました。
積極的な知識やスキルのアップデートをしている。
「患者さんを少しでも楽にしたい」「よくしたい」という気持ちは、前職の頃から今も変わらず、ずっと持ち続けています。だから知識やスキルのアップデートには、時間を惜しむことなく前向きに取り組むようにしています。理学療法士協会で催される研修やイベントに参加してみたり、WEB上で文献検索をしてみたり。最新の整形外科手術の技術を調べてみては、医師の先生にその内容を確認してみたり、といったアプローチをしながら勉強しています。当院に移ってきて、外来の患者さんのリハビリにも対応するようになってから、以前よりも幅広い患者さんや症例への対応が求められているように感じています。それに伴い、知識やスキルのアップデートへの意識も前に比べ高まったような気がしています。
自分の存在がよい影響を与えられると感じる瞬間。
外来の患者さんと接していると、本当にいろんな方がいらっしゃるなあ、と感じるようになりました。それは怪我であったり病気であったり、リハビリに来院される理由がさまざまだということもそうだし、それぞれの患者さんによって生活のサイクルやリズムも全然異なることもそう。ただ、多くの患者さんに共通するのは、どなたも「落ち込んでいる」部分があること。中でも「後遺症が残る」と言われている方の落ち込み具合は激しいですが、私が「こうすると、普通の生活に戻れますよ」という説明をしたことで、ずいぶんと元気を回復してくださることもあります。自分の存在が、患者さんの心や体、生活によい影響を与えられていると感じられた時、やりがいを感じたりしますね。