二度目の挑戦で、晴れて正看護師に
振り返れば、これまでは紆余曲折の多い歩みだった気がします。旅行関係の専門学校から方向転換して看護師の学校への進学を目指し、携帯電話やインターネットがない当時で情報がうまく集まらない中、友人の姉から聞いた話を頼りに埼玉の准看護師になるための学校への進学と当院への入職を決めました。その後、働きながら正看護師になるための学校にも通いましたが、途中で挫折。准看護師として当院で数年間働いた後、結婚して子どもが生まれた頃に当時の院長から「男性としてこの仕事で一生やっていくなら上の学校に行った方がいい」と助言をいただき、2007年に学校を卒業して晴れて正看護師となりました。
「オペ看」が自分には合っていたと思う

現在、手術室を担当する看護師として働いています。いわゆる、「オペ看」ですね。病棟勤務の時期も少しありましたが、「オペ看」になってかれこれ15年あまりになります。なぜ「オペ看」になったかというと、看護師という仕事の中でも自分にとってやりがいを感じられる領域ではないかと、最初は漠然と感じたから。実際にやってみると、確かに自分には合っていたのではないかと思いました。当時はまだ男性看護師が数少ない中、「オペ看」は男性看護師が中心だったというのもあり、受け入れてもらいやすかったという環境もあったかもしれません。現在は1日あたり多い時で3件前後のオペに対応しながら、中央材料室や内視鏡、透視検査室など他部署との連携業務にも携わらせてもらっています。
大きなやりがいがあることを知ってほしい
「オペ看」のやりがいは、二つあると考えています。一つは、手術室内でドクターの方々をサポートしてオペに関わっているという「直接介助」で感じられるやりがい。これはある種、「職人技」のような側面があり、自分の技術や経験、ノウハウを存分に活かせるという点でやりがいが感じられます。もう一つは、手術室の外で全体の流れを把握しながらオペを無事完了させる「間接介助」で感じるやりがい。患者さんのことを第一に考えながら、オペにあたるドクターや麻酔科医の方、看護師同士などオペに関わる人たちとの連携をいかにスムーズにするか、という責任のある役割を任されるやりがいがあります。どちらにせよ、「オペ看」には大きなやりがいがある、ということを知っていただきたいと思います。
新しい試みにも意欲的な人が揃っている

当院の「オペ看」は現在8名体制で、言ってみれば「少数精鋭」です。年齢も経験も幅のあるメンバーですが、互いに協力し合ったり、意識的に声をかけ合ったりするなど、チームワークを大切にしようという意識が全員に備わっているように思います。その結果、お互いに働きやすい環境づくりに向けた努力を惜しまない、という雰囲気も根づいているように感じています。またメンバーそれぞれに「これをやりたい」「実現したい」という想いも抱いており、たとえば手術前に患者さんのもとを訪れて手術内容などの説明をする「術前訪問」を積極的にやってみるなど、新しい試みにも意欲的な人たちが揃っています。